アンダーマイニング効果とは、簡単にいうと、やる気が落ちる心理現象です。
普段は企業で働きつつ、心理学研究やカウンセリングをしています。
- アンダーマイニング効果について分かりやすく教えてほしい。
- 具体例もあわせて理解したい。
- やる気を高めるためにやってはいけないことを知りたい。
このような悩みを解決する記事になっています。
アンダーマイニング効果について理解すると、正しいやる気の保ち方が分かります。
やる気を保つ工夫をして、仕事や勉強、恋愛などにぜひ活かしてくださいね。
それでは見ていきましょう。
目次
アンダーマイニング効果とは?意味を解説
アンダーマイニング効果とは、やる気がなくなる心理現象です。
具体的には
内発的な動機で行動しているにも関わらず、報酬やご褒美などの外発的動機づけがあった場合、やる気がなくなってしまう心理現象。
ちなみにunderminingとは、「弱体化させる」「台無しにする」という意味があるんですね。
補足:内的動機付けと外的動機付けの違い
それぞれ違いをみていきましょう。
要素の違い
内的動機付け | 好奇心、興味関心、好きなどの気持ち。 |
外的動機付け | 報酬、ご褒美、称賛、お金、対価などの見返り。 |
種類の違い
内的動機付け | 行為の内容そのものが好き、楽しい、面白いというモチベーション。 |
外的動機付け | 行為の先にある報酬や評価に対するモチベーション。 |
効果の違い
内的動機付け | ⇒やる気が高まる。 |
外的動機付け | ⇒やる気が下がる。 |
実験例や具体例は、後ほど解説しますね!
アンダーマイニング効果の実験例
1971年、心理学者のエドワード・L・デシとマーク・R・レッパーが実験を行いました。
実験概要
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実験内容
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実験結果
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実験結果からわかること
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アンダーマイニング効果の具体例
アンダーマイニング効果によって、やりたいからやっていたことが、報酬なしではできなくなります。
無意識に目的が手段とすり替わってしまうんですね。そんな5つの事例をご紹介します。
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親に褒められることがモチベーションになっている子どもも多くいます。
絶対にやってはいけないやる気の高め方:報酬をやる気のアップに使わない!
外発的動機付けによるやる気を高める方法は、麻薬と同じです。
外的なものによってモチベーションが上下する為、報酬や評価に依存してしまうんですね。
さらにもともとあったはずの内発的動機付けも、なくなる危険性があります。
僕の失敗例
心理学についてブログ記事を書くこと自体が楽しかったのですが、ある時ふと楽しくなくなりました。
事例:ブログ記事を書くやる気がなくなった理由
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もともとあった内発的動機付けが、評価や結果という外的なものに影響されていたんですね。
この状態になると、マジで楽しくなくなります。しかも目の前のことを適当に扱うようになったり、今を大事にしていない感がめっちゃでます。
やる気を高める方法
やる気を高める方法は、なるべく内発的動機付けに基づく行動をすることです。
金銭や称賛などの外発的なモチベーションも時には大切ですが、長続きしません。
内発的なモチベーションがない人は、それを思い出したり発見したりすると、やる気が安定しやすくなりますよ。
アンダーマイニング効果と逆の意味を持つ心理学
エンハンシング効果(enhancing effect)とよばれる心理現象です。
エンハンシング効果とは、外的動機付けによってやる気を高める心理のことなんですね。
アンダーマイニング効果との矛盾を感じるかもしれませんが、以下整理します。
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ざっくりいうとこんな感じです。
つまり、その人の状態や条件によって、エンハンシング効果が働いてやる気が高まる可能性もあるということです。
詳しくはまた別記事で書きますね!
アンダーマイニング効果のまとめ

ポイント
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