今回は【アンダードッグ効果】について説明していきますね!!日常であるあるな心理学をぜひ学んでみてくださいね!
この記事を読めば、以下のことが分かるよ。
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それぞれ見ていこう。
アンダードッグ効果とは

アンダードッグ効果とは、投票予測や勝敗予測において、不利な状況にある方を応援・投票したくなる心理を意味します。
つまり、負けている人・劣勢な人を応援したくなる心理が働くということ。
これを人は同情心とも呼ぶ。。。人は情に流されやすい。
日本語に訳すと、「負け犬効果」や「半官びいき効果」とも言われます。
ちなみにアンダードッグとは、「勝ち目の無い人」「負け犬」という意味です。
英語ではUnderdog effectと書くよ。
アンダードッグ効果の語源
アンダードッグ効果は、1940年代にアメリカで世論調査データの分析によって、 発見されました。
名付けられたのは、もともと「川に落ちてしまったかわいそうな犬は助けられる」という逸話に由来しています。
放っておけないのが人間の同情心というものなのでしょうね。
アンダードッグ効果が起こる理由・実験例

アンダードッグ効果はどんな要因があって起こるのか。
裏付けられた実験例も併せて説明していきますね。
アンダードッグ効果が起こる理由
「同情の心理」が働くからです。
一生懸命やっても報われない・・・
何をやっても上手くいかない・・・
そんな人を見ると情けをかけてしまうのが人間です。
人はなぜ「同情」するのか
それは、人が本能的に「理不尽なこと」や「報われないこと」に対して不快感を抱くからです。
そしてその時の感情が、目の前の人へ向けられ、結果的に「同情」し「応援」をするのです。
つまり、アンダードッグ効果が起こる理由はこのように説明できます。
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ここで重要なことは「弱み」をただ見せるだけではなく「一生懸命さ」があることです。
「一生懸命さ」がない他者へは、アンダードッグ効果は起こりません。
アンダードッグ効果を裏付ける実験

実験内容
ハーバード大学である実験が行われました。
研究者のニール・パハリアさんが行った実験です。
実験の対象者である学生181名に対して「A社」と「B社」、どちらの会社の商品を購入したいかというもの。
つまりどちらの会社を応援したいかというシンプルな質問です。
A社とB社の特徴は以下です。
A:情熱・熱意はあるが、業績が良くない会社 B:特に努力も見られないが、業績が良い会社 |
※商品の内容で選ばれないようにA社とB社の商品を調整しています。
あなたはどちらを選びますか?
実験結果はこのようになりました!
実験結果

なんとA社の商品を選ぶ学生の方が多いという結果が出ました!
業績はさほど関係ないんですね。
この実験からもわかるように、人間は勝者よりも、一生懸命に頑張っている敗者の方を応援したくなる心理が働くんですね!!
アンダードッグ効果の具体的な事例

アンダードッグ効果の具体的な事例についてまとめました。
日常で使える具体例ですが、悪用は禁止です。
ビジネス・仕事におけるアンダードッグ効果

例えばあなたの中で、営業のお仕事ってどんなイメージでしょうか。
どんな人の話だったら聞いてもいいかなと思いますか?
ここで一つ質問です。
あなたの自宅に営業マンのAさんとBさんが、それぞれやって来ました。
Aさん:きれいなスーツを着こなして、靴もピカピカに磨かれていて賢そうな人 Bさん:作業着を着て、靴をすり減らしているが一生懸命でどこか可愛らしい人 |
あなたはAさんとBさんどちらの話を聞きたいと思いますか。
Bさんは不潔そうだから断然Aさん!とかは無しでお願いします。笑
人は上手くいっていそうな人より、上手くいかせようと頑張っている人に心打たれます。
仕事で結果を出すには、能力やスキルを上げることばかりに目がいきがちですが、自分の頑張りを人に知ってもらうだけで上手くいくこともあります。
面接でみられるアンダードッグ効果

就職活動、転職活動などでは必ずと言っていいほど通る道が面接。
面接では、ついつい自分をよく見せようと自分の良い所や長所をアピールしようとしがちですよね。
そこでアンダードッグ効果を活用してみましょう。
自分の一生懸命さや、時には弱さを伝えて面接官に共感してもらえれば、成功です。
能力や学歴だけではなく、一人の人間として気に入られ、採用されるなんてこともあります。
いくら面接官と言えども、一人の人間ですからね。
一生懸命な人、親近感が湧く人、応援したい人を採用させたいという思いがあります。
面接がなかなか上手くいかない人は、視点を変えて自分の強さだけではなく、弱さを開示することをおススメします。
マーケティングにおけるアンダードッグ効果

人は一生懸命な姿に心を動かされます。
それを多くの人に知ってもらうことができれば、モノやサービスも売れるようになります。
その為、モノやサービスの生産過程を消費者に開示したり、物語・ストーリーも併せて知ってもらうことでアンダードッグ効果が働き、多くの人に共感・応援されるようになります。
もちろん嘘はダメです。笑
事実を述べなければなりませんが、モノやサービスができるまでの背景や想いを知ってもらうことであなたのファンができます!
恋愛におけるアンダードッグ効果

一生懸命に頑張っているけど、なかなかうまくいかない。
そんな一面を相手に見せることで、親近感が湧き相手との距離が近づきます。
例えば、料理を上手くなろうと料理教室に通っているけど、なかなか上手く作れないとか。
相手に自分の頑張っていることを開示することで、アンダードッグ効果が働きます。
これは男性に限らず、女性に対しても効果があります。
ただし、あんまりやりすぎると、超絶かまってちゃんになるので注意が必要です。
競走馬にみられるアンダードッグ効果

ハルウララという競走馬をご存知でしょうか?
ハルウララの戦績は通算0勝113敗。
1勝もしたことがありません。
しかし、それでも何度も立ち上がり、一生懸命に走る姿が多くの人に感動を与えました。
連敗すればするほどファンが急増し、馬券が飛ぶように売れた競走馬でした。
勝って人気になるのではなく、負けて人気になるという、まさにアンダードッグ効果の象徴とも呼ぶべき事例です。
政治・選挙におけるアンダードッグ効果

あなたは選挙の時、どんな人に投票しますか?
例えば、前回落選した候補者が「今回こそは!」という意気込みでいると、得票率はどうなるのでしょうか。
答えは、「得票率は上がる」です。
なぜならば、有権者は情に流されて投票することがあるからです。
※もちろんその時の候補者の状況や、他の外部的要因によって得票率が下がることもありますが。
また、「当選まであと一歩!」とか「当選までもう少しです!」といった言葉もアンダードッグ効果が起きる為、候補者の間でよく使われます。
ちなみに、安全圏内にいる候補者もアンダードッグ効果を心配して、強気の発言を避けることがあるんです!
判官贔屓(ほうがんびいき)
時は遡り、源義経が兄の頼朝に滅ぼされましたよね。
頼朝に憎まれた義経は、最終的に自殺することになります。
その不遇に人々が同情しました。
このことから、弱い立場にいる人や不遇な身の上にいる人に同情して味方することを、判官贔屓と言います。
アンダードッグ効果は呼び方は違えど、ずっと昔からあったんですね。
ちなみに判官贔屓の「半官」は「九郎半官」と呼ばれた義経のことを指しています。
判官贔屓は、「はんがんびいき」とも読みますね。
アンダードッグ効果の対義語:バンドワゴン効果とは?

アンダードッグ効果とは逆の意味を表す効果があります。
それはバンドワゴン効果と呼ばれるものです。
バンドワゴン効果とは、勝ち馬効果とも言われ、人気がある人やモノなどにさらに人気が集まる現象です。
詳しく知りたい方はこちらの記事を参照下さい⇒バンドワゴン効果を8つの事例で解説!
これらアンダードッグ効果とバンドワゴン効果を総称してアナウンスメント効果と言います。
あなたは、負け犬VS勝ち馬のどちらを応援したいでしょうか。
アンダードッグ効果のまとめ

いかがでしたでしょうか。
アンダードッグ効果は、仕事から恋愛、政治にまであらゆる分野で影響を及ぼす心理現象の1つです。
ぜひあなたの日常で役立ててもらえたら嬉しいです。
ポイント ・アンダードッグ効果とは投票予測や勝敗予測において、不利な状況にある方を応援・投票したくなる心理。 ・アンダードッグ効果(負け犬効果)の対義語は、バンドワゴン効果(勝ち馬効果)がある。 ・人は一生懸命な人に心を動かされる。 |