誰かに何か施してもらったら、お返しをしたくなりますよね。これを返報性の原理といいます。
返報性の意味とは
返報性とは、人から何かしてもらったとき、何かお返しをしないと申し訳ないと思う心理効果です。
返報性には種類がある
返報性には種類があります。
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(1)好意の返報性
人に好意を示されると、好意で返したくなる心理。
例
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(2)敵意の返報性
敵意を示されると、敵意で返したくなる心理。
例
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(3)譲歩の返報性
譲歩されると、譲歩したくなる心理。
例
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(4)自己開示の返報性
自己開示をされると、こちらも自己開示をしたくなる心理。
例
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返報性の実験
ここでは、実験を2つご紹介します。
(1)好意の返報性の実験
心理学者のデニス・リーガン博士による実験です。
実験概要
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実験内容
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このとき
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この2パターンで、くじを購入しないか?と被験者に質問します。
実験結果
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(2)譲歩の返報性の実験
アメリカの心理学者であるロバート・B・チャルディーニ氏による実験です。
実験概要
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実験内容
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依頼内容
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1日だけ無償で働くことを承諾してくれたのは、それぞれ何%だったのでしょうか。
実験結果
Aグループ:74%が承諾。 Bグループ:29%が承諾。 |
さらに、実際に無償で働いてくれたのは
Aグループ:承諾者のうち85% Bグループ:承諾者のうち50% |
つまり、グループ全体で実際に働いた人の割合は
Aグループ:62% Bグループ:14% |
返報性の具体例
返報性の原則(法則)は、人間関係、コミュニケーションにおいて重要な役割を果たします。
簡単に身近な例をご紹介します。
恋愛・人間関係
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営業・ビジネス
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SNS
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返報性に関連する心理学
返報性の原理に関連する心理学用語です。
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それぞれ簡単に説明しますね。
一貫性の原理
一貫性の原理とは、一貫した行動を取りたくなる心理効果です。
例えば、一度好意を受けとったら、次も好意を受けとるように自分の中での一貫性が働きます。
そうなると、好意に報いなければならないという思いが出てきて、相手と良好な関係になるということがあります。
逆に、嫌いな相手には一貫して同じ態度を取り続けてしまうというのも、一貫性の原理のあらわれです。
⇒一貫性の原理とは?心理学を使って新しい習慣を身につける方法
フットインザドア
フットインザドアとは、ハードルの低い要求をして、次の要求を断りづらくさせるテクニックです。
これは、一貫性の原理を用いたテクニックですね。
徐々にハードルを上げていくと、相手に承諾されやすくなります。
ドアインザフェイス
ドアインザフェイスとは、返報性の原理の中でも、譲歩の返報性と呼ばれます。
無理難題を要求して、そのあと要求のハードルを下げて承諾してもらう心理テクニックです。
返報性の原理:おススメ本
影響力の武器は、心理学にまつわる内容がぎっしり詰まった良書です。
心理学を学び倒したい方におススメです。
返報性のまとめ

いかがでしたでしょうか。
返報性の原理は、人間関係において無意識のうちに働いています。
意外と日常で影響を受けているので、学んでおいて損はないと思います。
ポイント
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