周りでギャンブル依存症の人がいるから、はまる理由を知りたいな。
普段は企業で働きつつ、心理学研究やカウンセリングをしています。
今回は部分強化と連続強化を例に、人がギャンブルにはまる理由を解説します。
部分強化とは、行動に対してたまに報酬を用意すること。
いっぽう、連続強化とは、行動に対していつも報酬を用意すること。
結論からお伝えすると、部分強化が依存症の原因です。
それではみていきましょう。
部分強化と連続強化とは?

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ちがいは報酬を与える頻度(確率)ですね。
事例
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人はいつももらえる報酬より、たまにもらえる報酬に喜びを感じます。
部分強化と連続強化の実験例
ハトを使った「スキナーの箱実験」があります。
アメリカの心理学者、行動科学者のバラス・スキナーによるものです。
実験例
どのような実験かみていきましょう。
実験概要
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実験内容
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ここでは、毎回エサを出すしくみ(連続強化)と、たまにエサを出すしくみ(部分強化)に、ハトを分けています。
実験結果
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実験からわかること
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レバーを押すという行動に毎回エサを出すより、たまに出す方がハトは依存しやすくなりました。
つまり報酬(エサ)を得るために、ハトはレバーを押す行為にのめり込んだということです。
人がギャンブルにはまる理由
部分強化がはたらくからです。
人は毎回手に入るとわかっている報酬より、たまに手に入る報酬に喜びを感じるようになります。
毎回だと慣れますからね。
変わらない毎日が楽しくなりますよ。
連続強化と部分強化の使い分けが最強
ギャンブルでは最初に連続強化で報酬を与え、はまったところで部分強化を使います。
そうするとさらにはまって、のめり込みますよね。
報酬を得ると…
人は報酬を得る体験をすると、もう一度、挑戦したくなります。
その積み重ねの末路が「ギャンブル依存症」ですね。
損失を出すと…
負ければ負けるほど、それまでの損失を取り返そうと、一発逆転を狙います。
その積み重ねがやはり「ギャンブル依存症」です。
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ギャンブル依存症から抜け出す方法
部分強化によるゲーム感覚を、他の行動で代用することです。
ギャンブルじゃないことをする
例えばゲームや筋トレ、勉強などです。
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いずれも毎回、成長や効果を実感するわけではないですよね。
積み上げて、たまにレベルが上がったり、パワーがついたりします。
部分強化による依存先を変える
ギャンブルではお金がかかる分、筋トレや勉強は無料でできますよね。
部分強化でモチベーションを保ちながら、行動していきましょう。
とはいえ、最初からいきなり変わることは難しいので、小さく動いて徐々にシフトチェンジでいいと思います。
部分強化と連続強化とは?ギャンブル依存症になる心理のまとめ

ギャンブルにはまる理由は、部分効果でしたね。
部分強化とは、行動に対してたまに報酬を用意すること。
いっぽう、連続強化とは、行動に対していつも報酬を用意することです。
なかなかギャンブルから抜け出せない人は、部分強化を他の行動で利用してみてください。
ゲームや筋トレ、勉強など他の行動が楽しくなれば、ギャンブルから自然と抜け出せるはずです。
ポイント
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