今回は【記憶のフィルターモデル】について説明していきますね!!
記憶に関する心理学をぜひ学んでみてください!
この記事を読めば、以下のことが分かるよ。
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記憶のフィルターモデルとは

記憶のフィルターモデルとは、人間が短期記憶、長期記憶をするまでの流れをモデル化したものです。
心理学者ブロードベントが提唱した理論ですね。
視覚や聴覚など、5感覚が受け取った情報が感覚記憶から短期記憶の貯蔵庫、または長期記憶の貯蔵庫に移行する際に選択的注意が働くとされています。
つまり、選択的注意というフィルターを通して、情報が処理されているということ。
情報処理の初期段階で、次の段階で処理されるべき情報を選択するフィルターの存在が仮定されています。

例えば生活していると、日常でいろんなことが起こりますよね。
それらのすべての入力刺激に対して、「物理的特徴」の処理などの低次の情報処理はされますが、
「意味的特徴」の処理などの高次の情報処理は、そのフィルターを通過した情報のみに対して行われます。
そしてその情報は短期記憶や長期記憶として貯蔵されます。
これがブロードベントが提唱している記憶のフィルターモデルです。
ちなみに英語ではMemory of the filter modelと書くよ。
学者たち3人の見解

ただし、ブロードベントの見解以後、フィルターモデルでは説明がつかないような実験結果が得られています。
その為、5感覚から得た情報はフィルターによって完全に排除されるのではなく、情報の重要度によって反応が決定されるという「後期選択モデル」や、ただ弱められるだけだと考える「減衰モデル」などが提起されています。
必ずしもブロードベントの見解だけで説明がつくわけではないということですね!
実際にどんな内容か見てみましょう。
前期選択説
ブロードベントが提唱する前期選択説は、自分に必要のないとみなされた情報はスルーされるという仮説です。
つまり、選択的注意というフィルターによって、それ以外の情報は無視されてしまうということですね。
だから、聞いているはずなのに、記憶の貯蔵庫に情報が行かないため、覚えていないなんてこともあります。
例えば校長先生の長話は、前期選択説が働いていると思います。笑
後期選択説
ドイチェらの提唱する「後期選択説」は、前述の「前期選択説」とはフィルターの位置が違うという仮説です。
つまり、入ってきた情報はいったん短期記憶貯蔵庫まで到達して、その後でフィルターを通して処理する。
フィルターを通した後、情報のほとんどは失われます。そして意味を認識できる高次の情報のみが残されるという見解なんですね。
「前期選択説」⇒情報が入る前にフィルターを通す。 「後期選択説」⇒情報が入った後にフィルターを通す。 |
減衰説
トライスマンの提唱する減衰説は、初期段階にフィルターを置くというところでは前期選択説と似ていますが、情報のすべてが完全に失われるのではなく、減衰させるという仮説です。
注意を向けていなくても、ある程度は記憶しているということですね。
例えば、注意は向けていないけど「そういえばあの人あんなこと言ってたなぁ」とか、そういう経験ありませんか?
それは減衰説によるものかもしれませんね。
まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回の話は少し難しい内容だったと思います。
記憶のフィルターモデルについては、諸説ありますがだいたいこんな感じかと覚えておくだけでも役に立ちます。
ポイント ・記憶のフィルターモデルとは、人間が短期記憶、長期記憶をするまでの流れをモデル化したもの。 ・記憶のフィルターモデルには「前期選択説」「後期選択説」「減衰説」がある。 ・前期選択説を支持する研究結果が多いものの、後期選択説や減衰説が完全に否定されたわけでない。
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