大数(たいすう)の法則について、解説します。
こんな方へ
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それでは見ていきましょう。
大数の法則の意味

大数の法則とは、数多くの試行を重ねることで、事象の出現回数が理論上の値に近づくという法則です。
例
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経験上の確率と理論上の確率が、「一致」に近づくということですね。
サイコロを使った実験
コインと同じように、サイコロにも大数の法則が働きます。
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最初は出目の数値に偏りが出ますが、回数を重ねるごとにより平均値の3.5に近づきます。
また、同じ数値が出る確率は限りなく6分の1に近づくということですね。
何かの平均値を調査するときは、母数が多ければ多いほど正確性が高まるね。
大数の法則を利用した事例

大数の法則のメリットは、シミュレーションができることです。
大数の法則は、ビジネス、金融商品やギャンブルなど、さまざまな分野で利用されています。
事例をみていきましょう。
(1)大数の法則を生命保険に使う
生命保険の目的は万が一の保障です。
人が生きていくうえでリスクはつきものですよね。
例えばこのようなリスクがあります。
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このような万が一のリスクを回避・防止するために、加入者で助け合いましょうというのが保険制度です。
そのため、てきとうに掛け金を決めると仕組みの維持そのものができなくなるんですよね。
そこで、大数の法則によって数値をシミュレーションして、掛け金を算出しています。
それは、20代の方が死亡率が低いからですね。
(2)大数の法則をギャンブルに使う

ギャンブルには、パチンコ、競馬、スロット、カジノのルーレット、麻雀、宝くじなどいろいろありますよね。
どれも、お店側が必ず勝つ仕組みになっています。そうしないと店がつぶれますからね。
そのためギャンブルをする人の期待値は常にマイナスであるため、以下のようなことをやると負ける確率が高まるといえます。
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ギャンブルの場合は、大数の法則が働いてどんどん負ける確率が高まります。
このことから、ギャンブルで勝っている人は、引き際が絶妙だということがわかりますね。
(3)大数の法則を投資で使う

投資には、株、FX、先物取引、証券、不動産などありますよね。
投資はギャンブルと比べると、期待値は高いです。
しかし、基本的には「上がる」か「下がる」の2パターンしかありません。
例
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どんなに勝率が高い人でも、大数の法則の視点でみると50%が限界のようですね。
しかしながら、取引には手数料がかかってしまうので、理論上の期待値はマイナスになります。
世の中には、投資で勝ちまくっている人もいるよね。
投資で勝ちまくる人がいる一方で、負けまくる人もいます。そんな人は少数の法則が働いているかもしれません。
(4)大数の法則をビジネスで使う

ビジネスにおいて、大数の法則はものすごく重要です。
売上や集客率、経費など数字がもろに関わってくるので、大数の法則はシミュレーションなどに使われます。
例
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会社で大数の法則を活用できると、ノウハウが蓄積されているので、新入社員でも予測して行動しやすいですね。
少数の法則と大数の法則
統計学・確率論である大数の法則と、少数の法則にはどのような関係があるのでしょうか。
少数の法則とは
試行回数が少ないにもかかわらず、それが正しいと錯覚してしまう心理のことです。
つまり、自分の経験をもとに、ものごとを判断してしまうということです。
少数の法則が働くと、大数の法則を無視してしまいます。つまり、客観性を欠いてしまうということですね。
例
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飲食店のオーダーミスなんて、300回に1回ぐらいありますよね。
このように、自分の中で勝手に理論を立てて、判断してしまうのが少数の法則です。
補足:大数の弱法則と強法則

大数の法則には、弱法則と強法則があります。
ここは補足程度なので、興味のある方だけみてください。
サイコロをn回振って、「1」が出る確率は
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というものです。
弱法則の場合は、サイコロを振る回数が、1000回…1万回…10万回のように有限の場合です。
強法則の場合は、サイコロを振る回数が無限と仮定した場合です。
細かくやると数学の話になりますが、大数の法則にはこの2種類があるんだ~ぐらいでいいと思います。
まとめ

いかがでしたでしょうか。
大数の法則は、いろんな業界で使われています。
ぜひここまで読んで頂いたあなたも、活用してみてくださいね。
ポイント
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