ハーディング効果(herding-effect)とは、人間は周りと同じ行動をとることに安心して、周りに合わせてしまう心理現象です。
赤信号、みんなで渡れば怖くない?
普段は企業で働きつつ、心理学研究やカウンセリングをしています。
- ハーディング効果ってなに?
- ハーディング効果の原因は?
- 事例や対策なども教えてほしい。
上記の質問にこたえます。
それでは見ていきましょう。
目次
ハーディング効果とは?
ハーディング効果(herding-effect)とは、人間は周りと同じ行動をとることに安心して、周りに合わせてしまう心理現象です。
合理的に判断したり選択するよりも、周りに同調してしまうんですね。
ハーディング効果がはたらく理由
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人間は楽をしたいいきもの
判断や選択って疲れますよね。
人間はなるべく楽をして生きていきたいと願っています。
集団に流されたい無意識が、はたらいてしまうんですね。
人間は安心したいいきもの
集団から外れるのって、怖いですよね。
多くの人間が安心したいと思っています。
間違った判断をしても、周りが同じ判断をしていたら安心するんですね。
そのため、合理的な選択よりも、非合理的な選択をしてしまうケースが多くあります。
自己ハーディングとは?
自己(セルフ)ハーディングとは、自分が過去にとった行動は「正しかった」と思い、同じ行動をとり続けることです。
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ハーディング効果との違いは
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ハーディング効果の例

ぼくたちは意外と、ハーディング効果の影響をうけています。
行動経済学では、群衆心理にもとづく行動のことをハーディング現象といいます。
行列のできるラーメン屋さん
みんな並んでいるお店だから、美味しいに違いないと思ってしまいます。
しかし実際に食べてみると、ふつうだったなんてこともありますよね。
投資
みんなが投資している銘柄は、安心して投資してしまいがちです。
でも、いつバブルが起きるか分からないですし、周りと合わせるだけだと痛い目をみます。
会社の上司
人望のある上司の判断は、正しいと思ってしまいますよね。
みんなが信頼を寄せ、さらに人望が集まります。
しかし尊敬している上司でも間違うことはあります。
思考停止して、鵜呑みにしないように。
集団の判断にだまされるな【ハーディング効果対策】

ハーディング効果の影響を受けると、間違った判断をする可能性が大いにあります。
例
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集団の力は強いです。事実すら捻じ曲げる力を持っています。
ハーディング効果の対策
集団の判断が、必ずしも正しいとは言い切れません。
思考停止して周りに合わせすぎると、ハーディング効果の悪影響を受けます。
そこで対策としては
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集団=正義ではない
非合理的な判断をしていることは、冷静に考えれば気づけます。
しかし集団の中で情報を浴びていると、合理的な判断ができなくなるんですね。
必ずしも、集団=正義ではないことを理解しておきましょう。
日本人はハーディング効果の影響を受けやすい
前にならえ!右にならえ!が日本は強いです。
島国ということもあり、価値観が近くなりやすいです。
嫌われる勇気
以前、アドラー心理学で有名な「嫌われる勇気」という本がベストセラーになりました。
日本人がいかに周りを気にしているかがわかりますね。
バンドワゴン効果【関連する心理学】
バンドワゴン効果とは、人気のある商品やサービスが、ますます人気になる心理効果です。
一度人気になると、どんどん人気になってファンが増えていく現象ですね。
ハーディング効果で周りに合わせる人たちが増え、バンドワゴン効果によってさらに集団の力が増します。
ハーディング効果とは?分かりやすく解説【行動経済学】のまとめ

人間の判断は、必ずしも合理的ではありません。
集団に従うだけの人生だと、いつの間にか搾取されていることがありますよね。
税金、車、住宅ローンなどお金の使い方から、結婚、育児、仕事などライフスタイルに至るまで、集団の判断はたくさんあります。
ハーディング効果の影響を最小限におさえつつ、冷静に現実をみていきたいところです。
ポイント
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