今回は【松竹梅の法則】について説明していきますね!!日常であるあるな心理学をぜひ学んでみてくださいね!
この記事を読めば、以下のことが分かるよ。
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それぞれ見ていこう。
松竹梅の法則(ゴルディロックス効果)とは
松竹梅の法則とは、人間は3つの選択肢があった場合、真ん中を選びたくなるという心理現象です。
例えば和食屋さんに行ったとして
松:7000円のコース
竹:5000円のコース
梅:3000円のコース
とあった場合、人は真ん中の「竹コース」を選びたくなる傾向があります。
『松』『竹』『梅』で3の法則とよばれたり、別名ゴルディロックス効果ともいいますね。
ちなみに英語ではGoldilocks effectと書きます。
語源
松竹梅の法則の語源は、お寿司屋さんやお蕎麦屋さんのメニュー表にあります。
価格を分けてわかりやすくする為に『松』『竹』『梅』としたんですね。
また、別名ゴルディロックス効果は「ゴルディロックスと3匹のくま」というイギリス童話に基づくものです。
経済においても、ゴルディロックス相場というものがありますが、それは好景気でもなければ不景気でもない、ちょうどいい経済状態のことを指しますね。
比率
3つの選択肢のうち、それぞれ選択する比率はどのくらいなのでしょうか。
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といわれています。
真ん中が半分を占めていますね!
松竹梅の法則(ゴルディロックス効果)が起こる原因・実験例
裏付けられた実験例も併せて説明していきますね。
松竹梅の法則(ゴルディロックス効果)の原因
人が3つある選択肢のうち、真ん中を選びたくなるのには理由があります。
行動経済学において、「極端の回避性」や「妥協効果」と呼ばれる心理効果が働くためです。
例えば欲しい洋服があってネットで購入するか迷っているとします。
そこで価格帯が1万円、5,000円、3,000円と分かれていたとしますよね。
その場合、3,000円よりも5,000円の方がきっと品質が良いはずだと思います。
かといって、1万円のものは贅沢な気がするし、もしも買って失敗したら損するかも(;^ω^)…という心理が働き、真ん中の5,000円を選びたくなるのです。
上記はネットで購入する場合の例ですが、実店舗で買う場合はまた違ってきます。
「ケチと思われたくない」「貧乏と思われたくない」という周りの目や見栄が働いてしまい、3,000円より5,000円のものを選ぼうとする心理が働きます。
人間が生きていくうえで、真ん中を選ぼうとするのは一種の安全欲求(生存本能)なのかもしれませんね。
松竹梅の法則(ゴルディロックス効果)を裏付ける実験
アメリカで行われた実験をご紹介します。
実験概要
カメラを3台用意し、どれを購入したいか選んでもらう。 |
実験内容
1.価格、性能の異なる同一メーカーのカメラを3台用意します。 2.A、B、Cのどれを購入したいか約100人に質問します。 |
選んだ割合はこのようになりました。
実験結果
A:22% B:57% C:21% |
松竹梅の法則(ゴルディロックス効果)の具体的な事例
松竹梅の法則の具体例をご紹介します。
具体例を見て、ぜひ活用してみてください。
マーケティング~基礎編~
もしあなたが商品の売上を上げたい場合、松竹梅の法則はきっと役に立ちます。
真ん中を選びたくなる心理効果を活用して、一番売りたい商品を真ん中に持ってくると売上は上がります。
例えば5,000円の商品を売りたい場合、
松:1万円 竹:5,000円 梅:3,000円 |
という価格設定にすると、売れやすいですね。
マーケティング~応用編~
上記は基礎的なことでしたが、他の心理効果とあわせることによって、さらなる効果が期待できます。
それはアンカリング効果です。
アンカリング効果とは印象的な情報や数値が基準となって、その後の判断に影響を与える心理効果のことです。
参照:アンカリング効果とは?
松竹梅の法則×アンカリング効果 |
3つの選択肢を用意して、一番高い価格のものを目につきやすいところに配置します。
そうすることでアンカリング効果が働き、一番最初に見た価格が判断の基準になり、最後に見た価格を安く感じます。
さらに松竹梅の法則も働く為、真ん中の価格帯のものを選びやすくなるということですね。
他にも似たような心理効果でフレーミング効果というものもあります。
フレーミング効果とは同じものでも見せ方を変えるだけで、相手の受け取り方が変わってしまう心理効果です。
詳しくはまた別記事で紹介しますね。
選択肢が3でないとダメな理由
選択肢の数は「2」でも「4」でもダメです。
ではなぜ「3」がいいのか、例をご紹介します。
選択肢が「2」の場合
選択肢が2つだけだと、70%の人が安い方を選ぶ傾向にあります。
例えば
A:5,000円 B:3,000円 |
この商品価格の場合、Bを選ぶ確率は70%になります。
10人の人が商品を購入する場合は
A:5,000円×3人=1.5万円 C:3,000円×7人=2.1万円 合計:3.6万円の売上となります。 |
これが、選択肢を3つ用意していた場合は
A:1万円×3人=3万円 B:5,000円×5人=2.5万円 C:3,000円×2人=6,000円 合計:6.1万円の売上となります。 |
選択肢を3つにすることで、確率的には売上が2.5万円もあがりますね。
選択肢が「4」の場合
人間は基本的に選択するストレスを減らしたいと思っています。
そのため、選択肢が4以上あると、「選択しない」という選択をしてしまうのです。
悩みまくって、選びきれないので結局は選ばないという結論を下してしまうんですね。
このような心理現象を行動経済学では「決定回避の法則」といいます。
数ある選択肢のうちから1つを選ぶ行為は、人間にとって大きなストレスになるので、注意しましょう。
また余談ですが、「現状維持の法則」というものもあります。人は選択肢が広がり過ぎるとかえって普段と同じものを選んでしまうという心理現象ですね。
転職したいけど、転職できない…というのは「決定回避の法則」と「現状維持の法則」が同時に働いていると考えられます。
まとめ

いかがでしたでしょうか。
松竹梅の法則(ゴルディロックス効果)には、人間の選択に関する秘密が隠れていましたね。
選択肢を減らしてあげるのも、人にとって親切なことです。
日常でよくある心理効果なので、ぜひ学んで活用してみてください。
ポイント ・松竹梅の法則とは3つの選択肢において、真ん中を選びたくなるという心理効果。 ・選択肢の数は「2」でも「4」でもなく「3」がベスト。 ・人間は「極端の回避性」や「妥協効果」が働き、真ん中を選びたくなる。 |