今回はカクテルパーティー効果(現象)について説明していきますね!!
日常であるあるな心理学をぜひ学んでみてくださいね!
この記事を読めば、以下のことが分かります。
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それぞれ見ていこう。
目次
カクテルパーティー効果(現象)とは

カクテルパーティー効果(現象)とは、自分にとって重要な情報は雑音・雑談の中でも自然と聞き取ることができるという現象のこと。
例えばたくさんの人が集まるパーティー会場に、あなたが今いるとする。
イメージするのは結婚披露宴でも、忘年会でもなんでもいいです。
そのあなたがイメージしたパーティー会場ってすごく騒がしくて、大きな声で話さないと話ができませんよね。
そんな騒がしい空間に身をおいても、あなたにとって重要なことは自然と聞き取ることができるんです。
騒音でも自分の名前は聞き取れる
例えば興味のある人の会話とか自分の名前とかは、どんなに騒がしいところでも、他の情報に比べて聞き取れちゃう。
これをカクテルパーティー効果(現象)といいます。
たしかに、自分の好きな人から名前を呼ばれたら、めちゃくちゃ反応しますよね笑
ちなみに英語ではCocktail-party effect と書きます。
それじゃあ次になぜこの原理が成り立つのか見てみよう。
カクテルパーティー効果(現象)が起こる理由

カクテルパーティー効果(現象)はどんな原因があって起こるのか。
裏付けられた実験例も併せて説明していきます。
(1)カクテルパーティー効果の仕組み
カクテルパーティー効果は少し難しい言葉でいうと
選択的注意 (selective attention) における、音声の選択的聴取 (selective listening to speech)のこと
人間は無意識であっても、音声情報を自然に取捨選択して聞き取ることができます。
近年では、音声情報だけでなく視覚情報など、もっと広範囲な情報にも効果が当てはまることがわかってきました。
(2)カクテルパーティー効果が起こる理由
人は自分の聞きたいこと聞いて、見たいものを見ているともいえます。
ではなぜこのような現象が起こるのかというと、人間には自分の関心事だけを抽出する独特の機能があるから。
これは脳科学的な分野ですね。
頭がパンクするのを防ぐ
全ての情報を「取捨選択」せずに取り入れていたら、頭がパンクしますよね。
それを避けるためにフィルターをかけて、自分にとって都合の良い情報だけを取り入れようとします。

人間の脳はただでさえ、燃費が悪いから情報処理を効率よくしたいのです。
そのために自分にとって必要な情報に優先順位をつけて、不要な情報はポイッと捨てちゃう。
このように人間は興味関心があるものや、好きなことの情報を無意識に選択して取り入れています。
関連記事:選択的注意とは?例や動画で解説!
カクテルパーティー効果の実験例
カクテルパーティー効果は、1953年に心理学者のコリン・チェリーさんによって提唱されました。
この人はどんな研究・実験をしたのでしょうか。
早速みてみよう。
カクテルパーティー効果:実験A

ヘッドフォンを装着させての音声実験です。
<実験内容>
ヘッドフォンスピーカーからは二つの話(音源)を同時に流す。
そこであらかじめ「片方の話に集中してください」と指示を出して、しばらく話を流しました。
そうするとどうなったのか。
<実験結果>
この後確認すると、指定した方の話はしっかり聴き取って理解をしていました。
もう一方の話は集中していなかったので、ぜんぜん聴き取れていませんでした。
つまり、人間は指定された方の情報だけを注意し優先してしまうということ。
指定されていない方の情報は、完全にシャットダウンされていたんですね。
カクテルパーティー効果:実験B

実験Aの続編です。
<実験内容>
次は指定されていなかった話の方に、被験者の名前を入れた上で二つの話を流しました。
<実験結果>
自分の名前がある音声の方が、話が良く聞き取れて、理解できていました。
つまり、名前がない方の音声は無意識に排除されていたということ。
カクテルパーティー効果:実験C

アメリカでの実験。
カクテルパーティ効果は、人間関係を築いていく上でも活用できることが分かりました。
<実験内容〉
男女の会話の中での実験。
1.15分間会話した場合 2.15分間会話 + 話の中に相手の名前を入れた場合 |
上記の1と2を比較しました。
<実験結果>
実験で分かったことは、会話の中に名前を入れられた方が、より親しみや社交性を感じたり、好意をもったりしていたということ。
相手が興味や関心のあるものを会話に組み込むことで、人間関係の構築に役立つということが実験で示されました。
カクテルパーティー効果(現象)の具体的な事例

日常であるあるな具体例をまとめてみました。
カクテルパーティー効果は意外と日常にあふれていると驚きます。
ぜひ具体例をチェックしてみてね!
(1)恋愛におけるカクテルパーティ効果

実は、「愛している」と言われることよりも、嬉しい言葉があります。
それは、「名前」です。
大事な人は特に「名前」を呼びましょう。
「ねえねえ」とか「あのさあ」とかもいいけど、人間にとって「名前」が一番重要な情報です。
名前を呼ぶと、より親密になれます!
(2)映画で見られるカクテルパーティ効果

松坂桃李主演の「不能犯」という映画がありましたが、その公式Twitterに以下のような言葉がつぶやかれていました。
「カクテルパーティー効果」を知っていますか…?
とてもざわついている空間内でも、
興味がある人の会話だけは、
しっかりと聞き取ることができることを言うんですよ…
人間の自分勝手さが垣間見えますね…
愚かだね、人間は…
いや~こわいです…。
(3)勉強でありがちなカクテルパーティ効果

カクテルパーティー効果は、勉強にも応用できます。
勉強を効率的にするためには、集中力を高めることが必要ですよね。
その集中力は選択的注意から生まれます。
つまり、勉強の内容に注意を向けられる環境や状況に身をおくことができれば、集中力は高まり効率的な勉強ができるようになります。
例えば、カフェに行ったり、図書館に行ったりするのも、勉強に対して注意を向けられるからです。
(4)マーケティングで活用できるカクテルパーティ効果
人は基本的に自分にもっとも興味があります。
そのため、消費者自身に関係する情報を発信することがマーケティングにおいて重要です。
相手に対して「あれ?これ私のことかな?」と思わせる文章や広告を作成できると、売上が伸びます。
マーケティングにおいてはターゲットを設定するとか、ペルソナを設定するとか言われますが、消費者に興味を持ってもらうためにも、ピンポイントな表現が求められますね。
事例
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このように絞っていくことで、選択的注意が働きます。
(5)電車で居眠りしても働くカクテルパーティ効果

電車の中で眠っていても、自分が降りたい駅のアナウンスが鳴ると、パッと目が覚めて降ります。
これは「〇〇駅で降りる」と注意・記憶しているので、停車前に車内放送されても自分の駅を聞き分けて降りることができるんですね。
(6)音楽ライブで見られるカクテルパーティ効果

これは僕が音楽のライブに行ったときに思ったことです。
ライブでは、ピアノ、サックス、ギター、ドラム、ベース、などなどいろんな音楽が聴こえてきますよね。
もちろん歌声も聴こえる。
ちょうどその時、ギターやりたいなって思っていた頃だったので、無意識にギターの音ばかり聴いていました。
他の楽器もたくさん音を奏でているのに、不思議とギターの音だけが聴こえる。
この現象も今思うと、カクテルパーティー効果でした!
(7)人混みでも働くカクテルパーティ効果

人混みの中。
繁華街、お祭り、駅のホームとか、人が多い騒然としたところでも、自分の名前を呼ばれたらすぐ気づきます。
あとはカフェでコーヒー飲んでいる時に、隣の人が自分の興味のあることを話し始めたら、ついつい聞いてしまう。
(8)病院でありがちなカクテルパーティ効果

「〇〇さ~ん」って病院で名前を呼ばれたら、ビクッと反応してしまうのは僕だけでしょうか。
呼ばれて立ち上がったら、同じ名前の人で、恥ずかしい思いをした人もいるんじゃないですかね。笑
最後の「じ」が呼ばれるまで、反応しないようにしていました。笑
カクテルパーティー効果(現象)が働かない場合

カクテルパーティー効果が働かないという人も、世の中にはいます。
視覚に障害があったり、難聴であったりすると働かないことが挙げられます。
また、発達障害とよばれるひとたちは、カクテルパーティー効果が働かないことによって苦しんでいる人もいます。
詳しく知りたい方はこちらを参照ください。選択的注意を鍛える方法もご紹介しています。
関連記事⇒発達障害者がカクテルパーティー効果(現象)で苦しむ理由
カクテルパーティ効果に関連する心理学:カラーバス効果

カラーバス効果とは、自分が意識していることが、自分のもとに情報として入ってくるという現象です。
関連記事⇒カラーバス効果とは?現実を引き寄せる心理学|意味や由来も解説
カクテルパーティー効果のまとめ

いかがでしたでしょうか。
カクテルパーティー効果(現象)は、日常で意外とあふれていましたね。
自分が興味関心のあるものを抽出してくれるのはありがたい機能です。
自分が聴きたい情報を聴いて、楽しい人生にしましょう。
ポイント ・カクテルパーティー効果とは自分にとって重要な情報を取捨選択する心理現象。 ・あなたは興味関心のある物事を重要な情報だと認識し受け取っている。 ・カクテルパーティー効果は聴覚だけでなく視覚にも当てはまる現象。 |
関連記事⇒発達障害者がカクテルパーティー効果(現象)で苦しむ理由